あるケミストの独り言(winchemwinの日記)

ケミスト(化学者)の視点で、面白そうな情報(シミュレーション関係など)を発信

Pythonの活用例について(fit ファイルの利用 その7:Cateye社 Avventuraのデータからー斜度のヒストグラムの作成)

 前回まではfit ファイルから取得したデータでスピード、斜度などに関してグラフを作成してきました。普段のサイクリングやロングライドを楽しまれる方はスピードや距離の情報があれば十分という方も多いかと思いますが、ヒルクライムをされる方は坂に関する詳しい状況を知りたいいう方もいるかと思います。今回以降は坂に関する情報について、紹介してゆきたいと思います。

 「fitファイルの利用 その5」の記事で斜度に関するグラフを紹介しました。サイクリングの行程の中でどの程度の斜度の坂があったかというのを確認するには良いのですが、坂の斜度の分布を確認するには別のグラフで表した方がわかりやすいです。今回はヒストグラムの形式で視覚化します。やり方は簡単で、matplotlib のライブラリーはヒストグラムの表示にも対応していますので、

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斜度のヒストグラム作成のコード

上記のコードでax.hist(x)とするだけで基本的にはOKです(前回はax.plotだったかと思います)。作成したヒストグラムは下図のようになります。

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斜度のヒストグラム

 平地の部分が多いので0%が多くなっていますが、坂に関しては斜度5から15%の分布の様子が視覚化できて登った坂のどの程度の坂だったのか、わかりやすくなっているのではないでしょうか。

 ただ、同じ坂を下っているので−5〜-10%あたりのヒストグラムも上りと同様の分布になってもよさそうに思われるかと思いますが、収集データは1秒ごとに測定された斜度のデータになるので、下りはスピードが早く観測頻度が上りに比べて相対的に少なくなったため、このような形になっています。

 次回は斜度ごどの平均スピードの数値化、グラフ化を行いたいと思います。