デモのプログラムでPsi4の動作が確認できたら、いよいよ実際の掲載に移っていきます。
Psi4では化合物の座標情報として、デカルト座標系, Z-matrix 系 のインプットの入力が可能です。ここではデカルト座標系での入力で計算を実施してゆきたいと思います。化合物の構造から座標データを得るには、モデリングソフトなどを利用するのが簡単です。市販の有料ソフトウェアを使って作成することは可能ですが、無料で簡単に行うとなるとWeb上で構造式描画を行えるMolviewがひとつの選択肢になります。
Molvewについては下記のリンクからアクセスすることができます。
リンク先にアクセスすると下記の初期画面が現れます。利用規約などを確認した上で”Close"をクリックすると次の初期入力画面(カフェインの構造がデフォルトで入力されている)が現れます。
MolViewの使い方ですが、初期入力画面からカフェインの構造を消去した後に、作成したい構造を書いていきます。下記は入力画面ですが、左側に必要な構造のパーツがあり、右側に主要元素が並んでいます。化学系の描画ソフトを使ったことのある方なら、それほど違和感なく書きたい構造をかけるのではないかと思います。構造の書き方はこのブログでは詳しくは説明はしませんが、それほど難しいソフトではないので触ってなれてみてもらえたらと思います。構造がかけたら、3Dデータを作成するため、上部のメニューバーにある2D to 3Dをクリックします(これが大事なポイントです)。すると右側の画面に描画した分子の3Dの分子モデルが表示されます。
下記は「酢酸エチル」を入力して、3D表記させた例になります。
構造を作成できたら、Mol ファイルへの保存を行います。ToolのプルダウンメニューからExport - MOL file を選択します。
保存を行うとソフトウェアの下部に保存したファイル名が表示されます。表示されたファイルをダウンロードして自分のPCにファイルを保存することで、作成した構造のMol fileを取得することができます。
以上でMol file を作成することができましたので、次にインプットファイルの形式に対応したデカルト座標のデータを得るため別のソフトウェアで処理を行います。単純にファイル形式の変更ですので、mol ファイルからxyz形式に変更できる手法であればここで紹介する手法以外(openbabelなどの利用)でも問題はないかと思います。ここでは無料利用可能なAvogadroを使った方法を紹介します。Avogadroについては下記リンクからアクセスすることができます。
Avogadro - Free cross-platform molecular editor - Avogadro
内容確認の上、使用OSにあったプログラムをダウンロードしてもらえればと思います。
導入後、ソフトウェアを立ち上げると下記のような画面が現れます。
立ち上げ後、作成したmolファイルを読み込み、改めてxyzとして保存します。
保存したファイルを確認すると下記のようにデカルト座標系のデータとなっていますので、このデータを用いてPsi4のインプットファイルを作成してゆきます。
実際のPsi4のインプットの作成は次の記事で紹介します。