今回は分極率の計算について紹介したいと思います。
今回も対象分子はアセトニトリルで行っています。計算条件(スレッド数、メモリの設定)、アウトプットファイルの設定、最適化はこれまでと同様です。
分極率の計算設定はpsi4.properties以下で行っています。’cc2/3-21g'で計算レベル、’properties'で計算する値として分極率をしています。
計算結果は指定したアウトプットファイルに保存されており、アウトプットファイルを開き、確認すれば所定の位置に分極率計算の結果が記載されています。ただいちいちファイルを開いて確認するのも手間というところもあり、ファイル内から分極率の数値を抜き出し、表示するコードを追加しています。
追加しているコードですが、読み込むファイルのパス位置を設定したのち、ファイルを読み込んでいます。分極率の数値は最終行の一つ前の行に記載されていますので、行数をカウントし、その行数より1つだけ少ない行(最終行の一つ前)のテキストをendtxtとして抜き出しています。
上記が計算結果になります。構造最適化終了の表示の下に分極率がa.u.単位で表示されます。
以上、今回は分極率の計算について紹介させていただきました。分極率は屈折率の計算の元データとしても使えるデータでとなりますので、皆さんの参考になれば幸いです。
次回以降は、これまで紹介してきたPsi4の計算について、Tkinter を使った計算アプリを作ってみましたので、何回かに分けて紹介できればと思っています。