あるケミストの独り言(winchemwinの日記)

ケミスト(化学者)の視点で、面白そうな情報(シミュレーション関係など)を発信

2022-01-01から1年間の記事一覧

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その7(tkinter アプリ)

先日紹介させて頂いた不動産価格の予測のtkinter アプリですが、一連のコードをGithubにアップしました。 https://github.com/winchemwin/house_price よろしければご参照ください。

Psi4による量子化学計算-紫外可視光吸収データ-その1

今回は化合物の光の吸収波長と吸収強度(振動子強度)の計算事例について紹介したいと思います。 コード1 ライブラリーのインポート、分子情報入力 まずはライブラリーのインポートですが、今回はTD計算を実施する必要があるため、「tdscf_excitations」を…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その6(tkinter アプリ)

前回までの記事で中古不動産価格予測の回帰モデル作成について紹介してきました。幸いlightGBMでそれなりのモデルが作成できましたので、このモデルを用いた不動産価格の予測アプリをtkinterで作成してみました。 コード1 ライブラリーの読み込み まずは必…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その5

前回の記事で、中古不動産価格の予測モデルとして、lightGBMの利用とそのハイパーパラメーター最適化の事例について紹介しました。モデルとして比較的良い評価が得られてきていましたので、得られたモデルを用いて価格予測のコードを作成することにしました…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その4

前回までの記事で中古不動産価格の予測モデルの作成として、scikit-learnでの回帰モデル作成(Ababoost法)について紹介してきました。ただ、ハイパーパラメータの最適化も行いましたが回帰モデルとしてはあまり良い結果が得られてきていませんでした。 そこ…

Psi4による量子化学計算-軌道エネルギー(HOMO、LUMO)計算-その2

前回の記事で軌道エネルギーの計算、表示例としてHOMO、LUMO軌道エネルギーの計算と表示について紹介しました。場合によっては、複数の軌道エネルギーを確認したい場合もあるかと思いますので、今回はHOMO-1やLUMO+1などの軌道エネルギーの表示事例について…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その3

前回の記事で中古不動産価格の予測モデル作成について、scikit-learnでの回帰モデル作成について、紹介しました。あまり良い結果はえられなかったのですが、今回はAbaboost法でのハイパーパラメータの最適化について紹介したいと思います。 ハイパーパラメー…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その2

中古不動産価格の予測モデル作成の続きです。 前回までの記事で不動産取引価格情報の取得と機械学習用のデータの前処理について紹介させていただきました。今回から回帰モデル作成の事例について紹介します。まずscikit-learnで利用可能な回帰モデルでの実装…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その1

機械学習による予測として、中古不動産取引価格の予測モデルの作成を行ってみましたので、以後複数回に分けて紹介したいと思います。 よく紹介されるモデルとしてscikit-learnを使ったボストンの住宅価格の回帰予測モデルの例が紹介されていますが、身近な例…

Psi4による量子化学計算-軌道エネルギー(HOMO、LUMO)計算-その1

前回までの記事で、各種物性値として電荷や双極子モーメントの計算について紹介しました。今回は化学物質の反応性等の考察にもよく利用される軌道エネルギーの算出について、紹介したいと思います。 コード1 構造最適化等 今回もターゲット分子はアセトニト…

Psi4による量子化学計算ー双極子モーメント

前回の記事で電荷計算についてについて紹介しました。今回は双極子モーメントの計算について紹介したいと思います。 今回もターゲット分子はアセトニトリルです。構造最適化を行い、エネルギー計算を行うまではこれまで紹介してきた事例と同様かと思います。…

機械学習による予測モデルの作成(暑さ指数-東京)その4

前回の記事で、「暑さ指数」と「気象データ」の相関について、SVR(Support Vector Regression,サポートベクター回帰)でのハイパーパラメーターの設定の検討の事例として、グリッドサーチの事例を紹介しました。 今回は、ハイパーパラメータ自動最適化フレ…

Psi4による量子化学計算ー電荷計算

前回までの記事で、化合物の構造最適化、振動計算の実施について紹介してきました。今回は化合物の物性値として、電荷計算の事例について紹介したいと思います。 電荷計算のコード 化合物はアセトニトリルを対象として、構造最適化を行ったあとに、エネルギ…

機械学習による予測モデルの作成(暑さ指数-東京)その3

前回の記事で、「暑さ指数」と「気象データ」の相関について、SVR(Support Vector Regression,サポートベクター回帰)でのハイパーパラメーターの設定の検討の事例として、ランダムサーチの事例を紹介しました。 今回は 同様の設定でのグリットサーチの例を…

Psi4による量子化学計算ー振動計算 その2

前回の記事で振動計算について紹介させていただきました。振動計算は、通常構造最適化に続いて行うことも多いことから、構造最適化を行った後にそのまま振動計算をするコードを作成してみました。また構造最適化後の振動計算は、負の振動数がないかどうか(…

機械学習による予測モデルの作成(暑さ指数-東京)その2

前回の記事で、「暑さ指数」と「気象データ」の相関について、リニアモデルでの機械学習モデルの作成について、紹介しました。今回はハイパーパラメーターの設定の検討のため、SVR(Support Vector Regression,サポートベクター回帰)でのモデル作成を検討し…

Psi4による量子化学計算ー振動計算 その1

前回までの記事で、構造最適化計算と得られた計算結果の表示について紹介してきました。 得られた最適化構造が安定構造かどうかと確認するために、振動計算が必要となりますので、今回は振動計算について、紹介したいと思います。 下記がアセトニトリルの振…

機械学習による予測モデルの作成(暑さ指数-東京)その1

前回までの記事で我が家の電気料金と気象情報との関係について、相関モデルの作成の検討を紹介してきました。残念ながらあまり良い相関モデルが作れませんでしたがので、実際に比較的良い相関がとれそうなもので検討してみようということで、環境省が公表し…

機械学習による予測モデル作成(我が家の電気使用量 その2)

前回までの記事で我が家の電気使用量について、sklearn のlinear modelでの予測モデルの作成について紹介しました。必ずしも目的変数と説明変数の設定が良いものではないので、linear modelでは良い結果は得られませんでした。 それでは他のmodelではどうか…

Psi4による量子化学計算ー構造最適化(化学構造の描画)

前回までの記事で水分子の構造最適化と座標データの表示について紹介させていただきました。今回は最適化構造の可視化について、紹介したいと思います。可視化にあたっては、jupyter notebook 上で可視化できるpy3Dmolを使用しています。py3Dmolについては「…

機械学習による予測モデル作成(我が家の電気使用量 その1-2)

この前の記事で我が家の電気使用量と気象データとの相関について、データの前処理について紹介しました。今回は実際の解析と解析結果の表示について紹介したいと思います。 sklearn による解析準備 まず、機械学習を行うにあたり、目的変数と説明変数を設定…

機械学習による予測モデル作成(我が家の電気使用量 その1-1)

様々なデータの解析に機械学習の手法が取り入れられてきています。python は機械学習のライブラリが比較的充実していますので、今回から機械学習によるいくつかのデータの予測モデル作成と検証についての内容を書いてゆきたいと思っています。 まずは、我が…

Psi4による量子化学計算ー構造最適化(座標の確認)

前回までの記事で水分子の構造最適化の実施について、紹介しました。 通常は最適化計算後、座標データや構造の確認を行うかと思います。 以下は前回紹介したコードですが、計算のアウトプットファイルは"h2o-opt.txt"に保存されていて、このファイルを確認す…

Psi4による量子化学計算ーインプットファイルの作成 その2

前回までの記事で、座標データの取得まで説明してきましたので、ここからは、実際の計算用コードの作成に移ってゆきたいと思います。以下は水分子の構造最適化のコードの例です。 H2Oの構造最適化の参考コード1 最初にpsi4のライブラリーをインポート(impo…

pythonの活用例について(fit ファイルの利用 その15:Cateye社 Avventuraのデータからーアプリの作成)

前回までの記事で、fit ファイルをもとにpython で様々な解析を行ってきた例を紹介してきました。それぞれの解析は紹介したコードを参考に処理してもらえればできるかと思いますが、やはりいちいちコードを書いて実行するのは・・・ということでtkinter を使…

Psi4による量子化学計算ーインプットファイルの作成 1

デモのプログラムでPsi4の動作が確認できたら、いよいよ実際の掲載に移っていきます。 Psi4では化合物の座標情報として、デカルト座標系, Z-matrix 系 のインプットの入力が可能です。ここではデカルト座標系での入力で計算を実施してゆきたいと思います。化…

pythonの活用例について(fit ファイルの利用 その14:Cateye社 Avventuraのデータからーヒルクライムデータ-坂データの比較)

これまでの記事でfitファイルのデータから、様々な解析を行って来ました。特にヒルクライムに関連して、勾配分布や関連グラフ、自作の激坂ファクターの例などを紹介してきました。今回はそれらの集大成(すこし大げさですね)として、いくつかの実際の坂デー…

pythonの活用例について(fit ファイルの利用 その13:Cateye社 Avventuraのデータからーヒルクライムデータ-激坂ファクター)

前回までにヒルクライムに参考になる図として、勾配に関する箱ひげ図やバイオリンプロットについて紹介してきました。これらの図は坂全体の様子を把握するには非常にイメージしやすいのですが、実際にいろんな坂を比較して「どのくらいきついの」ということ…

pythonの活用例について(fit ファイルの利用 その12:Cateye社 Avventuraのデータからーヒルクライムデータ-バイオリンプロット)

前回の記事で坂の勾配の分布の様子の図示化として、箱ひげ図を紹介しました。今回はバイオリンプロットについて紹介したいと思います。 バイオリンプロットですが箱ひげ図と同様にデータの分布の様子を図示化するプロットです。箱ひげ図はデータの中心部分を…

pythonの活用例について(fit ファイルの利用 その11:Cateye社 Avventuraのデータからーヒルクライムデータ-箱ひげ図)

前回までの記事でヒルクライムに参考になるデータとして、坂の平均勾配や勾配のばらつきを示す標準偏差の算出、斜度ごとのグラフ化を紹介してきました。今回は坂の勾配の分布の様子の図示化について紹介したいと思います。 まずひとつ目は箱ひげ図になります…