あるケミストの独り言(winchemwinの日記)

ケミスト(化学者)の視点で、面白そうな情報(シミュレーション関係など)を発信

2023-01-01から1年間の記事一覧

屈折率自動算出アプリ(CustumTkinter) その2

前回から引き続き屈折率自動算出アプリの紹介です。 具体的なコードですが、基本的なところは以前に紹介した分子軌道情報(HOMO/LUMO)の自動算出アプリと同じです。 最初にライブラリーのインポートと各種関数の設定を行っています。 屈折率はローレンツ・ロ…

屈折率自動算出アプリ(CustumTkinter) その1

データサイエンスの活用が進むにつれて、機械学習用のデータの入手、作成の重要性が増してきているように思います。最近では学習用データとして、実験データだけでなく計算機シミュレーションの活用が進められてきています。このような背景から、先の記事ま…

分子軌道情報(HOMO/LUMO)自動算出アプリ(CustumTkinter) その8

前回までに分子軌道情報の自動計算のアプリのコード、利用画面の説明などについて紹介してきました。作成したコードをGitHubに公開していますので、MITライセンスのもとご自由に利用いただければと思います。github.com ご利用にあたって、コメント、感想な…

分子軌道情報(HOMO/LUMO)自動算出アプリ(CustumTkinter) その7

これまでのシリーズでは軌道情報の自動計算アプリのコードの紹介をしてきました。今回はアプリの利用方法について簡単に紹介したいと思います。 以下はこのシリーズの最初の回にも紹介したアプリの起動画面になります。 分子軌道情報自動算出アプリ 起動画面…

分子軌道情報(HOMO/LUMO)自動算出アプリ(CustumTkinter) その6

前回に引き続きCustumTkinterを利用した軌道情報の自動計算アプリの紹介です。 今回もCustumTkinter関連のコードの設定コードの紹介の続きです。 計算手法のoption設定の表示ですが、数値入力がメインですのてtextBoxのウィジェットを使用しています。このウ…

分子軌道情報(HOMO/LUMO)自動算出アプリ(CustumTkinter) その5

前回に引き続きCustumTkinterを利用した軌道情報の自動計算アプリの紹介です。 今回はCustumTkinter関連のコードの設定コードの紹介です。CustumTkinterですが、tkinterと比べてある程度デザイン性に優れた画面を作成することが可能です。画面のモードの設定…

分子軌道情報(HOMO/LUMO)自動算出アプリ(CustumTkinter) その4

前回に引き続きCustumTkinterを利用した軌道情報の自動計算アプリの紹介です。 今回は計算実行用の処理関数の設定コードの紹介です。 始めに入力内容から化合物の情報(charge:電荷, multi:スピン多重度)、表示軌道数(orb)を読み込んでいます。また計算す…

分子軌道情報(HOMO/LUMO)自動算出アプリ(CustumTkinter) その3

前回に引き続きCustumTkinterを利用した軌道情報の自動計算アプリの紹介です。 今回は量子化学計算用の処理関数の設定コードの紹介です。構造最適化、振動計算、分子軌道の処理関数を作成しています。 まずは構造最適化(Geom_Opt)です。CustumTkinter(コー…

分子軌道情報(HOMO/LUMO)自動算出アプリ(CustumTkinter) その2

前回に引き続きCustumTkinterを利用した軌道情報の自動計算アプリの紹介です。 今回は処理関数の設定コードの紹介です。 # Smiles file select by filedialog def data_import(self): type=[('smi file','*.smi'), ('text file', '*.txt')] file=filedialog.…

分子軌道情報(HOMO/LUMO)自動算出アプリ(CustumTkinter) その1

データサイエンスの活用が進むにつれて、機械学習用のデータの入手、作成の重要性が増してきているように思います。最近では学習用データとして、実験データだけでなく計算機シミュレーションの活用が進められてきています。計算データは実測データよりも比…

化学構造データ変換‐Tips その3(組成式、分子量データ)

化学構造データ変換-Tips その3になります。 今回はsmiles形式で読み込んだデータからの化学組成式、分子量データの取り出しです。 利用データですが今回もその1の事例で使用したMolecular_Netでて提供されている水和の自由エネルギーデータ(SAMPL_MOL)の…

化学構造データ変換-Tips その2(sdfファイルの読み込み)

化学構造データ変換-Tips その2になります。 今回はsdfファイルの読み込みです。sdfファイルは、化学構造や物性データなどを記録するためのファイル形式のひとつです。 多くの化合物の化学構造とその物性データをひとつのファイルとして保存できるため、纏…

化学構造データ変換-Tips その1(canonical SMILES への変換)

化学構造のデータセットを扱う場合、ファイル形式、データ変換など細々と処理を行う場面によく遭遇します。 これらの事例について、自分自身の備忘録もかねて、Tipsとして記事を残しておきたいと思います。 過去の皆さんの事例を参考にしているので、特段目…

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ14

前回までPsi4の計算実施用アプリのコード、利用画面の説明などについて紹介してきました。作成したコードをGitHubに公開していますので、MITライセンスのもとご自由に利用いただければと思います。 github.com ご利用にあたって、コメント、感想などがあれば…

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ13

引き続きPsi4の計算実施用アプリについて紹介したいと思います。 前回までに紹介したコードを実行すると以下のような立ち上げ画面が表示されます。 (本シリーズの1回目にも紹介したかと思いますが) アプリ立ち上げ画面 今回はアプリ使い方について簡単に紹…

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ12

引き続きPsi4の計算実施用アプリについて紹介したいと思います。 Tkinterの設定部分の続きになります。 Tkinter 設定コード3 計算の条件のオプション(スレッド数、メモリ、電荷、多重度)の設定ですが、この部分は入力値が必要な部分ですので、TKinterのEnt…

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ11(ラベル表示、ウィジェット配置、機能設定等)

引き続きPsi4の計算実施用アプリについて紹介したいと思います。 今回からTkinter の設定部のコードになります。 最初は作成するGUIのタイトルと枠(大きさの設定)の設定です。 続いて計算する分子のファイルを選択する部分の設定で、Label部で設定文字列の…

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ10

引き続きPsi4の計算実施用アプリについて紹介したいと思います。 今回は計算実施関数に関するコードの部分の続きになります。 以下はPsi4の計算条件の設定に関するコードです。スレッド数(threads)、メモリー(memory)、セーブファイル名(savenameはTkinte…

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ9

引き続きPsi4の計算実施用アプリについて紹介したいと思います。 今回からは計算実施関数に関するコードの部分になります。 計算実施関数のコード1 計算にあたって、分子の電荷とスピン多重度の設定ができますので、それらの値をTkinterアプリでの入力値(c…

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ8

引き続きPsi4の計算実施用アプリについて紹介したいと思います。 今回は分極率計算の関数について紹介したいと思います。 分極率計算の関数のコード1 計算の実行に関してはこれまでと同様にTkinterアプリからの入力値(method, function, baseset)を受けて、…

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ7

引き続きPsi4の計算実施用アプリについて紹介したいと思います。 今回は双極子モーメント計算の関数について紹介したいと思います。 双極子モーメント計算関数のコード1 計算の実行に関してはこれまでと同様にTkinterアプリからの入力値(method, function,…

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ6

引き続きPsi4の計算実施用アプリについて紹介したいと思います。 今回はマリケンの電荷計算の関数について紹介したいと思います。 マリケン電荷計算の関数のコード1 計算の実行に関してはこれまでと同様にTkinterアプリからの入力値(method, function, bas…

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ5

引き続きPsi4の計算実施用アプリについて紹介したいと思います。 今回は紫外可視吸収スペクトルの表示の部分になります。スペクトル表示に関しては以前の記事でも紹介したHill Research group が公開している'PlotBand'のコードを参考にしました。 紫外可視…

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ4

引き続きPsi4の計算実施用アプリについて紹介したいと思います。 今回は分子軌道情報の表示部分になります。 分子軌道情報表示関数のコード1 これまで同様に、Tkinterアプリからの入力値(method, function, baseset)を受けて、1点エネルギー計算の実行を…

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ3

前回に引き続きPsi4の計算実施用アプリについて紹介したいと思います。 今回は振動計算部分の関数のコードになります。 振動計算の関数のコード1 前の構造最適化の際と同様に、Tkinterアプリからの入力値(method, function, baseset)を受けて、振動計算の実…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その10 Catboost でのモデル作成

前回までの記事でlightGBMを用いた予測モデル作成について紹介してきました。今回は別の勾配Boosting手法として「Catboost」で予測モデル作成を検討した事例について紹介します。「Catboost」は2017年に登場したアンサンブル学習法でYandex社から発表された…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その9 カテゴリー変数のダミー変数化

前回までの記事で新たに建物構造、接道、道路の種類等のパラメーターを追加したモデルの作成について紹介させていただきました。前回のモデルでは上記パラメータを何らか参考指標をもとに、数値化を行っていたのですが、今回は上記のカテゴリー変数をダミー…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その8 パラメーター追加(建物構造、接道、道路種類)モデル作成

前回までの記事で、説明変数としていくつかのパラメータの追加のコードを紹介させていただきました。今回は追加したパラーメータを使ってで改めてモデル作成を検討した結果について紹介します。コードは以前の「機械学習による(中古)不動産価格の予測 その…

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ2

前回に引き続きPsi4の計算実施用アプリについて紹介したいと思います。 今回は構造最適化の関数の定義になります。Tkinter アプリからの入力値を受けて、構造最適化を行う関数(Geom_Opt)で、`method(HF、DFT、MP2)、function(汎関数)、baseset(基底関…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その7 パラメーター追加(建物構造、接道、道路種類)

前回の記事で不動産価格の予測アプリの紹介させていただきました。ある程度の精度で予測はできるのですが、もう少し精度をあげられないかと思い、得られた情報から説明変数としてのパラメーターの追加の検討を行ってみました。 以下は一連の全体のコードです…