あるケミストの独り言(winchemwinの日記)

ケミスト(化学者)の視点で、面白そうな情報(シミュレーション関係など)を発信

アッベ数(Abbe's number)自動算出アプリ(CustumTkinter)  -屈折率の波長依存性- その2

前回から引き続きアッベ数(Abbe's number)自動算出アプリの紹介です。 具体的なコードですが、基本的なところは以前に紹介した屈折率の自動算出アプリと同様です。 最初にライブラリーのインポートと各種関数の設定を行っています。 アッベ数を計算するため…

アッベ数(Abbe's number)自動算出アプリ(CustumTkinter)  -屈折率の波長依存性- その1

以前の記事でHOMO-LUMO軌道、屈折率等の自動算出アプリを紹介してきました。 このお正月休みに少し時間がありましたので、アッベ数(Abbe's number)について自動計算できるアプリを作成してみました。基本的な部分は以前の屈折率の自動算出アプリと同様とな…

Pyscfによる量子化学計算 2-2 ー インプットファイルの作成 2 ー

前回の記事でPySCFの初期ファイルの作成方法の説明をさせていただきました。 今回は初期ファイル作成に必要な分子の幾何構造の入力方法等について紹介したいと思います。PySCFでは、分子の幾何構造の入力方法にはいくつかの方法があります。・テキスト入力 …

Pyscfによる量子化学計算 2-1 ー インプットファイルの作成 1 ー

前回までの記事でPySCFの紹介と簡単なインストール方法の説明をさせていただきました。今回はPySCF用のインプットファイルの作成について紹介したいと思います。 PySCFでは、分子を初期ファイル作成するためにいくつかの方法があります。 まず、PySCFライブ…

Pyscfによる量子化学計算 1 -インストール-

PySCFのインストール方法はHP(https://pyscf.org/install.html)で紹介されていますが、ここではWindows環境でPySCFを使用する場合について紹介します。 PySCFは基本的にLinux環境で動作しているためWindows環境で利用する場合、WSL(Windows Subsystem for…

Pyscfによる量子化学計算-イントロダクション

量子化学計算プログラムPySCF(Python-based Simulations of Chemistry Framework)は、その柔軟性と高性能さで知られ、化学者や物理学者にとって強力なツールです。PySCFの特徴は以下のようなものがあります。1. オープンソースで柔軟なフレームワーク PySC…

SMILES自動作成アプリ (Rdkit の活用) その4

前回までの記事でアプリのコードを紹介などを紹介してきました。今回はアプリの使い方について紹介したいと思います。アプリの立ち上げ画面(下記)を見ながら説明したいと思います。 アプリの画面 まず、化学構造の主骨格データを上部の「Main Strucrture(S…

SMILES自動作成アプリ (Rdkit の活用) その3

前回の記事でRdkitのReplaceモジュールを活用したSMILES自動作成アプリのコードについて紹介させていただきました。今回も引き続きアプリのコードについて紹介したいと思います。 今回はtkinterアプリの部分になります。 インプットデータはSMILES形式として…

SMILES自動作成アプリ (Rdkit の活用) その2

前回の記事でRdkitのReplaceモジュールを活用したSMILES自動作成アプリの概要について紹介させていただきました。今回からアプリのコードについて紹介したいと思います。 pythonのコードを以下に紹介しています。 はじめは各種必要なモジュールを読み込みで…

SMILES自動作成アプリ (Rdkit の活用) その1

機械学習用に有機化合物の誘導体のSMILES構造を多量に発生させたい場面に時々遭遇します。そのような際に、コアとなる基本構造と変化させたい官能基のデータを用意するだけで自動的にSMILES構造を発生させるPythonコードを明治大学の金子先生が提供していた…

SMILES自動作成アプリ(Arranged from the code of Prof Kaneko) その4

SMILES自動作成アプリの続きです。今回はアプリの使用方法等について紹介したいと思います。 このアプリではまず最初に置換基を様々に変化する位置を(*)で設定した基本骨格の化学構造のmolファイルを準備する必要があります。ChemDrawなどの市販ソフトが…

SMILES自動作成アプリ(Arranged from the code of Prof Kaneko) その3

SMILES自動作成アプリの続きです。今回はSMILESの自動作成部分とtkinterの設定の部分について紹介したいと思います。(メインのSMILESの発生部分は金子先生が作成されたものです: github.com ) はじめに、金子先生が作成されたコードをTkinterで呼び出して…

SMILES自動作成アプリ(Arranged from the code of Prof Kaneko) その2

SMILES自動作成アプリの続きです。今回から作成したコードを紹介してゆきたいと思います。 (とはいってものメインのSMILESの発生部分は金子先生が作成されたものになりますが) まずはライブラリーのインポートです。tkinter関連のライブラリーと化学構造の…

SMILES自動作成アプリ(Arranged from the code of Prof Kaneko) その1

機械学習用にある有機化合物の誘導体のSMILES構造を多量に発生させたい場面に時々遭遇します。そのような際に、コアとなる基本構造と変化させたい官能基のデータを用意するだけで自動的にSMILES構造を発生させるPythonコードを明治大学の金子先生が提供して…

紫外可視吸収波長自動算出アプリ(CustumTkinter)その4

前回から引き続き紫外可視吸収波長自動算出アプリの紹介です。今回はアプリの利用方法について簡単に紹介したいと思います。 以下はこのシリーズの最初の回にも紹介したアプリの起動画面になります。アプリの立ち上げ画面 画面構成ですが、ファイルの選択、…

紫外可視吸収波長自動算出アプリ(CustumTkinter)その3

前回から引き続き紫外可視吸収波長自動算出アプリの紹介です。 前回もコメントさせていただきましたが、基本的なコードは以前に紹介した分子軌道情報(HOMO/LUMO)の自動算出アプリと同じです。 今回はCustumTkinterのパートの紹介です。 CustumTkinterですが…

紫外可視吸収波長自動算出アプリ(CustumTkinter)その2

前回から引き続き紫外可視吸収波長自動算出アプリの紹介です。 具体的なコードですが、基本的なところは以前に紹介した分子軌道情報(HOMO/LUMO)や屈折率の自動算出アプリと同様です。 最初にライブラリーのインポートと各種関数の設定を行っています。 紫外…

紫外可視吸収波長自動算出アプリ(CustumTkinter)その1

以前の記事でHOMO-LUMO軌道、屈折率の自動算出アプリを紹介してきました。今回以降別の物性値として紫外可視吸収波長の自動算出アプリを紹介してゆきたいと思います。基本的なコードはこれまで紹介してきたアプリと同様ですが、紫外可視吸収データを算出させ…

Pythonを活用した機械学習用データ作成 その3(誘電率)

前回の記事で機械学習用データとして屈折率データの算出について紹介してきました。今回はさらに屈折率データを活用した誘電率のデータ作成について紹介します。 分子の誘電率ですが、オンサガーの式を用いることで屈折率、双極子モーメントデータ等から算出…

Pythonを活用した機械学習用データ作成 その2(屈折率)

前回までの記事で機械学習用データとして分子体積データの算出について紹介してきました。今回は分子体積データを活用した屈折率のデータ作成について紹介します。 分子の屈折率ですが、ローレンツ・ローレンツ式を用いることで分子体積と分極率データから算…

Pythonを活用した機械学習用データ作成 その1(分子体積2)

前回の記事で機械学習用のデータとしてQM9のデータを活用した分子体積データの作成について紹介させていただきました。ただ、Rdkitモジュールを利用した場合計算に少し時間がかかってしまいQM9ぐらのデータ数(10万以上)となるとPCのスペックにもよります…

Pythonを活用した機械学習用データ作成 その1(分子体積1)

機械学習を活用した材料開発が活発になってきています。機械学習には元になるデータセットが必要ですが、実験データ数には限界もあることから、計算機シュミレーションを活用したデータセットも作成されています。その中でもQMデータセットは数多くの機械学…

屈折率自動算出アプリ(CustumTkinter) その5

前回までに屈折率の自動計算のアプリのコード、利用画面の説明などについて紹介してきました。作成したコードをGitHubに公開していますので、MITライセンスのもとご自由に利用いただければと思います。 github.com ご利用にあたって、コメント、感想などがあ…

屈折率自動算出アプリ(CustumTkinter) その4

前回から引き続き屈折率自動算出アプリの紹介です。今回はアプリの利用方法について簡単に紹介したいと思います。 以下はこのシリーズの最初の回にも紹介したアプリの起動画面になります。 アプリの立ち上げ画面 画面構成ですが、ファイルの選択、計算方法の…

屈折率自動算出アプリ(CustumTkinter) その3

前回から引き続き屈折率自動算出アプリの紹介です。 前回もコメントさせていただきましたが、基本的なコードは以前に紹介した分子軌道情報(HOMO/LUMO)の自動算出アプリと同じです。 今回はCustumTkinterのパートの紹介です。 CustumTkinterですが、tkinter…

屈折率自動算出アプリ(CustumTkinter) その2

前回から引き続き屈折率自動算出アプリの紹介です。 具体的なコードですが、基本的なところは以前に紹介した分子軌道情報(HOMO/LUMO)の自動算出アプリと同じです。 最初にライブラリーのインポートと各種関数の設定を行っています。 屈折率はローレンツ・ロ…

屈折率自動算出アプリ(CustumTkinter) その1

データサイエンスの活用が進むにつれて、機械学習用のデータの入手、作成の重要性が増してきているように思います。最近では学習用データとして、実験データだけでなく計算機シミュレーションの活用が進められてきています。このような背景から、先の記事ま…

分子軌道情報(HOMO/LUMO)自動算出アプリ(CustumTkinter) その8

前回までに分子軌道情報の自動計算のアプリのコード、利用画面の説明などについて紹介してきました。作成したコードをGitHubに公開していますので、MITライセンスのもとご自由に利用いただければと思います。github.com ご利用にあたって、コメント、感想な…

分子軌道情報(HOMO/LUMO)自動算出アプリ(CustumTkinter) その7

これまでのシリーズでは軌道情報の自動計算アプリのコードの紹介をしてきました。今回はアプリの利用方法について簡単に紹介したいと思います。 以下はこのシリーズの最初の回にも紹介したアプリの起動画面になります。 分子軌道情報自動算出アプリ 起動画面…

分子軌道情報(HOMO/LUMO)自動算出アプリ(CustumTkinter) その6

前回に引き続きCustumTkinterを利用した軌道情報の自動計算アプリの紹介です。 今回もCustumTkinter関連のコードの設定コードの紹介の続きです。 計算手法のoption設定の表示ですが、数値入力がメインですのてtextBoxのウィジェットを使用しています。このウ…