あるケミストの独り言(winchemwinの日記)

ケミスト(化学者)の視点で、面白そうな情報(シミュレーション関係など)を発信

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ5

引き続きPsi4の計算実施用アプリについて紹介したいと思います。 今回は紫外可視吸収スペクトルの表示の部分になります。スペクトル表示に関しては以前の記事でも紹介したHill Research group が公開している'PlotBand'のコードを参考にしました。 紫外可視…

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ4

引き続きPsi4の計算実施用アプリについて紹介したいと思います。 今回は分子軌道情報の表示部分になります。 分子軌道情報表示関数のコード1 これまで同様に、Tkinterアプリからの入力値(method, function, baseset)を受けて、1点エネルギー計算の実行を…

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ3

前回に引き続きPsi4の計算実施用アプリについて紹介したいと思います。 今回は振動計算部分の関数のコードになります。 振動計算の関数のコード1 前の構造最適化の際と同様に、Tkinterアプリからの入力値(method, function, baseset)を受けて、振動計算の実…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その10 Catboost でのモデル作成

前回までの記事でlightGBMを用いた予測モデル作成について紹介してきました。今回は別の勾配Boosting手法として「Catboost」で予測モデル作成を検討した事例について紹介します。「Catboost」は2017年に登場したアンサンブル学習法でYandex社から発表された…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その9 カテゴリー変数のダミー変数化

前回までの記事で新たに建物構造、接道、道路の種類等のパラメーターを追加したモデルの作成について紹介させていただきました。前回のモデルでは上記パラメータを何らか参考指標をもとに、数値化を行っていたのですが、今回は上記のカテゴリー変数をダミー…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その8 パラメーター追加(建物構造、接道、道路種類)モデル作成

前回までの記事で、説明変数としていくつかのパラメータの追加のコードを紹介させていただきました。今回は追加したパラーメータを使ってで改めてモデル作成を検討した結果について紹介します。コードは以前の「機械学習による(中古)不動産価格の予測 その…

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ2

前回に引き続きPsi4の計算実施用アプリについて紹介したいと思います。 今回は構造最適化の関数の定義になります。Tkinter アプリからの入力値を受けて、構造最適化を行う関数(Geom_Opt)で、`method(HF、DFT、MP2)、function(汎関数)、baseset(基底関…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その7 パラメーター追加(建物構造、接道、道路種類)

前回の記事で不動産価格の予測アプリの紹介させていただきました。ある程度の精度で予測はできるのですが、もう少し精度をあげられないかと思い、得られた情報から説明変数としてのパラメーターの追加の検討を行ってみました。 以下は一連の全体のコードです…

Psi4による量子化学計算-Tkinterアプリ1

これまでの記事でPsi4に量子化学計算の様々な事例について紹介してきました。 計算の実施にあたり毎回コードを書くのも大変なので、典型的な計算が簡単にできるようにTkinterでPsi4の計算実施用アプリを作成してみました。今回以降複数回に分けて紹介してゆ…

Psi4による量子化学計算-分極率計算

今回は分極率の計算について紹介したいと思います。 分極率計算 コード 今回も対象分子はアセトニトリルで行っています。計算条件(スレッド数、メモリの設定)、アウトプットファイルの設定、最適化はこれまでと同様です。 分極率の計算設定はpsi4.properti…

Psi4による量子化学計算-紫外可視光吸収データ-その2

前回の記事でアセトニトリルの光の吸収波長と吸収強度(振動子強度)の計算事例について紹介させていただきました。今回は得られたデータからのスペクトル表示について紹介したいと思います。スペクトル表示については、Hill Research group が公開している'…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その7(tkinter アプリ)

先日紹介させて頂いた不動産価格の予測のtkinter アプリですが、一連のコードをGithubにアップしました。 https://github.com/winchemwin/house_price よろしければご参照ください。

Psi4による量子化学計算-紫外可視光吸収データ-その1

今回は化合物の光の吸収波長と吸収強度(振動子強度)の計算事例について紹介したいと思います。 コード1 ライブラリーのインポート、分子情報入力 まずはライブラリーのインポートですが、今回はTD計算を実施する必要があるため、「tdscf_excitations」を…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その6(tkinter アプリ)

前回までの記事で中古不動産価格予測の回帰モデル作成について紹介してきました。幸いlightGBMでそれなりのモデルが作成できましたので、このモデルを用いた不動産価格の予測アプリをtkinterで作成してみました。 コード1 ライブラリーの読み込み まずは必…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その5

前回の記事で、中古不動産価格の予測モデルとして、lightGBMの利用とそのハイパーパラメーター最適化の事例について紹介しました。モデルとして比較的良い評価が得られてきていましたので、得られたモデルを用いて価格予測のコードを作成することにしました…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その4

前回までの記事で中古不動産価格の予測モデルの作成として、scikit-learnでの回帰モデル作成(Ababoost法)について紹介してきました。ただ、ハイパーパラメータの最適化も行いましたが回帰モデルとしてはあまり良い結果が得られてきていませんでした。 そこ…

Psi4による量子化学計算-軌道エネルギー(HOMO、LUMO)計算-その2

前回の記事で軌道エネルギーの計算、表示例としてHOMO、LUMO軌道エネルギーの計算と表示について紹介しました。場合によっては、複数の軌道エネルギーを確認したい場合もあるかと思いますので、今回はHOMO-1やLUMO+1などの軌道エネルギーの表示事例について…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その3

前回の記事で中古不動産価格の予測モデル作成について、scikit-learnでの回帰モデル作成について、紹介しました。あまり良い結果はえられなかったのですが、今回はAbaboost法でのハイパーパラメータの最適化について紹介したいと思います。 ハイパーパラメー…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その2

中古不動産価格の予測モデル作成の続きです。 前回までの記事で不動産取引価格情報の取得と機械学習用のデータの前処理について紹介させていただきました。今回から回帰モデル作成の事例について紹介します。まずscikit-learnで利用可能な回帰モデルでの実装…

機械学習による(中古)不動産価格の予測 その1

機械学習による予測として、中古不動産取引価格の予測モデルの作成を行ってみましたので、以後複数回に分けて紹介したいと思います。 よく紹介されるモデルとしてscikit-learnを使ったボストンの住宅価格の回帰予測モデルの例が紹介されていますが、身近な例…

Psi4による量子化学計算-軌道エネルギー(HOMO、LUMO)計算-その1

前回までの記事で、各種物性値として電荷や双極子モーメントの計算について紹介しました。今回は化学物質の反応性等の考察にもよく利用される軌道エネルギーの算出について、紹介したいと思います。 コード1 構造最適化等 今回もターゲット分子はアセトニト…

Psi4による量子化学計算ー双極子モーメント

前回の記事で電荷計算についてについて紹介しました。今回は双極子モーメントの計算について紹介したいと思います。 今回もターゲット分子はアセトニトリルです。構造最適化を行い、エネルギー計算を行うまではこれまで紹介してきた事例と同様かと思います。…

機械学習による予測モデルの作成(暑さ指数-東京)その4

前回の記事で、「暑さ指数」と「気象データ」の相関について、SVR(Support Vector Regression,サポートベクター回帰)でのハイパーパラメーターの設定の検討の事例として、グリッドサーチの事例を紹介しました。 今回は、ハイパーパラメータ自動最適化フレ…

Psi4による量子化学計算ー電荷計算

前回までの記事で、化合物の構造最適化、振動計算の実施について紹介してきました。今回は化合物の物性値として、電荷計算の事例について紹介したいと思います。 電荷計算のコード 化合物はアセトニトリルを対象として、構造最適化を行ったあとに、エネルギ…

機械学習による予測モデルの作成(暑さ指数-東京)その3

前回の記事で、「暑さ指数」と「気象データ」の相関について、SVR(Support Vector Regression,サポートベクター回帰)でのハイパーパラメーターの設定の検討の事例として、ランダムサーチの事例を紹介しました。 今回は 同様の設定でのグリットサーチの例を…

Psi4による量子化学計算ー振動計算 その2

前回の記事で振動計算について紹介させていただきました。振動計算は、通常構造最適化に続いて行うことも多いことから、構造最適化を行った後にそのまま振動計算をするコードを作成してみました。また構造最適化後の振動計算は、負の振動数がないかどうか(…

機械学習による予測モデルの作成(暑さ指数-東京)その2

前回の記事で、「暑さ指数」と「気象データ」の相関について、リニアモデルでの機械学習モデルの作成について、紹介しました。今回はハイパーパラメーターの設定の検討のため、SVR(Support Vector Regression,サポートベクター回帰)でのモデル作成を検討し…

Psi4による量子化学計算ー振動計算 その1

前回までの記事で、構造最適化計算と得られた計算結果の表示について紹介してきました。 得られた最適化構造が安定構造かどうかと確認するために、振動計算が必要となりますので、今回は振動計算について、紹介したいと思います。 下記がアセトニトリルの振…

機械学習による予測モデルの作成(暑さ指数-東京)その1

前回までの記事で我が家の電気料金と気象情報との関係について、相関モデルの作成の検討を紹介してきました。残念ながらあまり良い相関モデルが作れませんでしたがので、実際に比較的良い相関がとれそうなもので検討してみようということで、環境省が公表し…

機械学習による予測モデル作成(我が家の電気使用量 その2)

前回までの記事で我が家の電気使用量について、sklearn のlinear modelでの予測モデルの作成について紹介しました。必ずしも目的変数と説明変数の設定が良いものではないので、linear modelでは良い結果は得られませんでした。 それでは他のmodelではどうか…