あるケミストの独り言(winchemwinの日記)

ケミスト(化学者)の視点で、面白そうな情報(シミュレーション関係など)を発信

Psi4による量子化学計算ー構造最適化(化学構造の描画)

前回までの記事で水分子の構造最適化と座標データの表示について紹介させていただきました。今回は最適化構造の可視化について、紹介したいと思います。可視化にあたっては、jupyter notebook 上で可視化できるpy3Dmolを使用しています。py3Dmolについては「…

機械学習による予測モデル作成(我が家の電気使用量 その1-2)

この前の記事で我が家の電気使用量と気象データとの相関について、データの前処理について紹介しました。今回は実際の解析と解析結果の表示について紹介したいと思います。 sklearn による解析準備 まず、機械学習を行うにあたり、目的変数と説明変数を設定…

機械学習による予測モデル作成(我が家の電気使用量 その1-1)

様々なデータの解析に機械学習の手法が取り入れられてきています。python は機械学習のライブラリが比較的充実していますので、今回から機械学習によるいくつかのデータの予測モデル作成と検証についての内容を書いてゆきたいと思っています。 まずは、我が…

Psi4による量子化学計算ー構造最適化(座標の確認)

前回までの記事で水分子の構造最適化の実施について、紹介しました。 通常は最適化計算後、座標データや構造の確認を行うかと思います。 以下は前回紹介したコードですが、計算のアウトプットファイルは"h2o-opt.txt"に保存されていて、このファイルを確認す…

Psi4による量子化学計算ーインプットファイルの作成 その2

前回までの記事で、座標データの取得まで説明してきましたので、ここからは、実際の計算用コードの作成に移ってゆきたいと思います。以下は水分子の構造最適化のコードの例です。 H2Oの構造最適化の参考コード1 最初にpsi4のライブラリーをインポート(impo…

pythonの活用例について(fit ファイルの利用 その15:Cateye社 Avventuraのデータからーアプリの作成)

前回までの記事で、fit ファイルをもとにpython で様々な解析を行ってきた例を紹介してきました。それぞれの解析は紹介したコードを参考に処理してもらえればできるかと思いますが、やはりいちいちコードを書いて実行するのは・・・ということでtkinter を使…

Psi4による量子化学計算ーインプットファイルの作成 1

デモのプログラムでPsi4の動作が確認できたら、いよいよ実際の掲載に移っていきます。 Psi4では化合物の座標情報として、デカルト座標系, Z-matrix 系 のインプットの入力が可能です。ここではデカルト座標系での入力で計算を実施してゆきたいと思います。化…

pythonの活用例について(fit ファイルの利用 その14:Cateye社 Avventuraのデータからーヒルクライムデータ-坂データの比較)

これまでの記事でfitファイルのデータから、様々な解析を行って来ました。特にヒルクライムに関連して、勾配分布や関連グラフ、自作の激坂ファクターの例などを紹介してきました。今回はそれらの集大成(すこし大げさですね)として、いくつかの実際の坂デー…

pythonの活用例について(fit ファイルの利用 その13:Cateye社 Avventuraのデータからーヒルクライムデータ-激坂ファクター)

前回までにヒルクライムに参考になる図として、勾配に関する箱ひげ図やバイオリンプロットについて紹介してきました。これらの図は坂全体の様子を把握するには非常にイメージしやすいのですが、実際にいろんな坂を比較して「どのくらいきついの」ということ…

pythonの活用例について(fit ファイルの利用 その12:Cateye社 Avventuraのデータからーヒルクライムデータ-バイオリンプロット)

前回の記事で坂の勾配の分布の様子の図示化として、箱ひげ図を紹介しました。今回はバイオリンプロットについて紹介したいと思います。 バイオリンプロットですが箱ひげ図と同様にデータの分布の様子を図示化するプロットです。箱ひげ図はデータの中心部分を…

pythonの活用例について(fit ファイルの利用 その11:Cateye社 Avventuraのデータからーヒルクライムデータ-箱ひげ図)

前回までの記事でヒルクライムに参考になるデータとして、坂の平均勾配や勾配のばらつきを示す標準偏差の算出、斜度ごとのグラフ化を紹介してきました。今回は坂の勾配の分布の様子の図示化について紹介したいと思います。 まずひとつ目は箱ひげ図になります…

pythonの活用例について(fit ファイルの利用 その10:Cateye社 Avventuraのデータからーヒルクライムデータ-斜度ごとの距離)

前回の記事で、坂の平均勾配と勾配のばらつきを示す標準偏差の算出について紹介しました。今回は前回のコードで得られたデータをもとに、坂の各斜度ごとの距離のグラフ化を行ってみます。坂の斜度がゆるいところの距離が長ければ、斜度のきつい区間が一部あ…

pythonの活用例について(fit ファイルの利用 その9:Cateye社 Avventuraのデータからーヒルクライムデータ-平均勾配、標準偏差)

前回はヒルクライムデータとして斜度別平均速度について紹介しました。今回は坂の状態を示すのによく利用される平均勾配の算出を行ってみたいと思います。また合わせて統計処理でよく算出される標準偏差の算出も行っています。 平均勾配ですが、下記のコード…

pythonの活用例について(fit ファイルの利用 その8:Cateye社 Avventuraのデータからーヒルクライムデータ-斜度別平均速度)

前回の記事で、ヒルクライム関連するデータとして斜度のヒストグラムの作成を紹介しました。今回はヒルクライムデータの分析として、坂の斜度ごとの平均速度の算出を行ってみます。坂の斜度に応じてどのぐらいのスピードで走っているか興味のある方の参考に…

量子化学計算ソフトPsi4の実行(Jupyter notebookの導入から)

前回までの記事でPsi4のインストールまで実施できましたので、いよいよプログラムを実行してゆきます。 Ubuntu 環境でコマンドラインで入力してもOKなのですが、このブログでは入力やエラーが出た際の対処なども含め、効率的にプログラムの実行、検証を行え…

Pythonの活用例について(fit ファイルの利用 その7:Cateye社 Avventuraのデータからー斜度のヒストグラムの作成)

前回まではfit ファイルから取得したデータでスピード、斜度などに関してグラフを作成してきました。普段のサイクリングやロングライドを楽しまれる方はスピードや距離の情報があれば十分という方も多いかと思いますが、ヒルクライムをされる方は坂に関する…

Pythonの活用例について(fit ファイルの利用  その6:Cateye社 Avventuraのデータからーグラフの重ね合わせ(スピード、標高、勾配))

前回までの記事で時間、距離、スピード、標高、斜度などの関係をグラフ化を行ってきました。それぞれの単一のグラフでも十分データの視覚的に見やすくなっているのですが、2つの指標のグラフを同じグラフ内で重ねて見たい場合もあるかと思います。今回はグ…

Pythonの活用例について(fit ファイルの利用  その5:Cateye社 Avventuraのデータからー坂の斜度のグラフ)

前回まではfitファィルの読み込みデータから、時間、距離と標高、スピードの関係についてグラフ化を行ってきました。今回は斜度との関係のデータをグラフ化したいと思います。ロードバイクに乗られている方であれば、上り坂の指標となる斜度のデータは非常に…

Pythonの活用例について(fit ファイルの利用  その4:Cateye社 AvventuraのデータからーSeabornでのグラフ化)

これまでは解析したデータのグラフ作成について、Pyhton ライブラリーのmatpoltlibを用いて行ってきました。より綺麗にまたっ複雑なグラフの作成、描画が可能なライブラリーとして、seaborn がよく知られています。今回はseaborn ライブラリーを利用した描画…

Pythonの活用例について(fit ファイルの利用 その3:Cateye社 Avventuraのデータからースピードデータのグラフ化)

前回までは標高のデータを基にグラフの作成を行ってきました。今回はスピードのデータのグラフ化を行いたいと思います。スピードの場合は基のデータの単位が[m/s]のため、見慣れた[km/h]の方がイメージしやすいかと思います。そのため、標高データの場合はデ…

Pythonの活用例について(fit ファイルの利用 その2:Cateye社 Avventuraのデータからー横軸距離のグラフ作成)

前回は「fit」ファイルの読み込みと簡単なグラフ(横軸=時間)の作成を行いました。今回は読み込んだデータを少しアレンジしたグラフの作成を行いたいと思います。 グラフとして、横軸が時間でも視覚化としては問題がない場合も多いのですが、公道を走って…

Pythonの活用例について(fit ファイルの利用:Cateye社 Avventuraのデータからーデータの読み込み、グラフ化))

前回まで書いていたPsi4の利用についての記事は、事情でかなりゆっくりとした更新にしたいと思います。代わりにPythonの利用に関する記事を更新してゆければと思っています。 私自身、プライベートではロードバイクを趣味にしていて、サイクルコンピューター…

量子化学計算ソフトPsi4のインストールと使用準備 その2

Psi4 のインストールの続きです。今回は仮想環境の構築とPsi4のインストールです。 Psi4用の仮想環境を構築してゆきます。先の記事でも紹介しましたが、Pythonで利用できるモジュールは多数ありますが、主要プログラム(今回はPsi4)を快適に動作させるための…

量子化学計算ソフトPsi4のインストールと使用準備 その1

Psi4は前の記事で記載のようにオープンソースの量子化学計算ソフトウェアでWindows、Linux、Macのそれぞれで使用可能です。インストールですが、「Psi4」のホームページのダウンロードのサイトで各種インストール方法が示されています。 (https://psicode.…

ケミストの独り言ーはじまり-(フリーの量子化学計算系ソフト)

はじめまして winchemwin です。ケミスト(化学者)の視点からみなさんの役に立つかもという記事(当面はシミュレーション関係?)を自分への備忘録も兼ねて書いてゆきたいと思っています。 第1回目は、フリーで利用可能な量子化学計算ソフトの話です。 有機…